野坂徹夫展の最終日
本日もギャラリーは晴れのち曇りのち晴れ
今日は野坂徹夫展の最終日でした。野坂徹夫さんは透明感のある、美しい水彩画を
描く作家さんです。絵の中には清らかな精神性も感じられます。
今回は新境地と自らおっしゃるように、従来のようにマスキングテープなどを使わず、
フリーハンドで描いています。新しいこの表現も大変好評でした。
展覧会終了まであと20分という時です。
Aさんという中年の女性が来廊されました。お名前を聞き、前日にご主人が画廊にいらして
ある作品を大変気に入られ、お写真を撮り、妻に相談すると帰られたその方の
奥様だとすぐにわかりました。
さて、その作品をご覧いなり、いかがですか?と問うと
「いいけど、私はこちらの作品が好き」とおっしゃり、ご主人の作品はそれほど気に入られて
いないご様子でした。私は内心、残念に思いましたが、夫婦で趣味が違うことの方が
多いし・・と思い、自然に任せておりました。
もうお帰りかと思って振り返ると、ご主人が気に入られた作品の前に佇んでおられます。
そして「この作品、よく見ると良いわね。プレゼントしてあげようかな。」と
独り言のように呟やかれ、私の方を見て、「これをいただきます。」とおっしゃるではないですか!この展開に私も驚きましたが、夫婦愛のようなものを感じましたし、
お二人ともアートがお好きなんだなとあ思うと共にご主人の喜ぶ顔が浮かびました。