アート・コーディネーション・サービス / Art Coordination Service

玄関からリビングヘと続く廊下はギャラリーのよう。飾られているのは、渡邉早苗による色彩感あふれるテンペラ画の数々。

佐久間ナオヒト(ひび)=写真Photographs by Naohilo Sakuma(Hibi)

Life with Art / 絵を飾る幸福、いかがですか?

Life is ART ライア 2006 WINTER 掲載より

 買ってみたいけれど画廊には入りづらいし、きっかけがなかなか見つからない─。アートにそんな思いを抱いている方々は、ギャラリーゴトウの“アート・コーディネーション・サービス”をきっかけにしてはどうだろう。顧客の趣向やインテリアに最適な作品を紹介するサービスが、きっとアートある生活への近道になる。

後藤眞理子(ごとう・まりこ)
1998年、世界的版画家である野田哲也氏の新作展を皮切りにギャラリーゴトウをオープン。以後、絵画・版画・彫刻など現代美術を幅広く取り扱う。

 何もない無機質な壁 ─ 。でもそこに一枚の絵があれば、空間に豊かさがうまれる。毎日観ているだけで感性も磨かれる。自宅に絵が一枚あるだけで、住まう人の人生を色々なかたちで豊かにするアートは、もっと生活のなかに広まって良いのでは? 

 そんな思いから、ギャラリーゴトウのオーナー後藤眞理子氏は2006年、これまでのギャラリー経営に加え、作品の飾り方やインテリアとの調和も含めて顧客に提案する“アート・コーディネーション・サービス”をはじめた。「1年に1〜2枚、どんなジャンルでも無名作家でもいい。まずは自分が気に入った作品を買うこと。それをずっと続けていれば、いつか自宅が小さなギャラリーにもなる。そんなアートとの接し方を啓蒙するのも画廊の役割では?」以前から尊敬していたある作家の言葉も、このサービスをはじめるきっかけになった。

 日本では、ギャラリーは敷居が高くて入りづらいと思われている。しかし後藤氏のサービスは、顧客の住まいに足を運んで最適な作品を案内したり、「ご自宅の様子が分かるような写真を持ってギャラリーにいらしても結構です。まずは気軽にご相談を」という柔軟なもの。版画・油絵・彫刻など分野別に多数の図版を用意して作品を提案している。価格は数千円前後から大きな作品では数百万円とさまざま。あくまで顧客の予算や趣向、内観やインテリアに調和した作品を紹介し、住まい全体、またはリビングや玄関など一角だけでもコーディネートする。もちろん、公共のスペースも。ある企業では社長室に虹色の色彩の版画を提案し、「観ていてとても元気になる」と、非常に気に人られて採用にいたった。

 最近コーディネートしたのは東京・池袋の高層タワーマンション「ザ・タワー・グランディア」に暮らす新山広明さんご一家の住まい。広々としたリビングや玄関を彩る数々の作品が、スタイリッシユな住まいの雰囲気をさらにひき立てている。普段仕事に忙しい人々はなかなか本物のアートに接する機会がない。飾りたいと思っても、「きっかけがなければポスター程度で済ませていたかもしれません」と新山さんは話す。

左・中央写真:リビングには上海の作家・潘微(Pan-wei)の《lnnerCosmos》シリーズ(アクリル、キャンバス)2点。黒が基調のインテリアに合わせ、額も黒に。右写真:野坂徹夫の作品『啓示』(水彩画)を囲む新山さんご一家。

 今日は千瑞子(ちずこ)夫人との間に授かった、3ヵ月になるご子息・玲鳳(れお)ちゃんのお部屋にと、新作(右頁上写真)を持参。「子供ができたからでしょうか。こういう優しい感じのする絵画が本当に素敵だと思うようになりました」と、ご夫妻もお気に召したようだ。「小さなころに観た絵の美しさは大人になっても鮮明に覚えているもの。思い出を飾る彩りになります」(後藤氏)。いずれは玲鳳ちゃんの記憶にも絵画の優しげな空気が残るかもしれない。
 きっかけさえあれば、アートはあっという間に身近な場所で人々の人生を豊かに彩りはじめる。まずは一度ギャラリーゴトウヘ問い合わせ、お気に入りの作品を1枚見つけてみて欲しい。やがて数カ月も経てば、アートが遠い存在だと思っていた自分のことを不思議がっているようになるかもしれない。

取り扱い作品の一部。左:蛯子真理央(宵の広場〉アクリル、中央:上野憲男〈8月の赤い土〉水彩、
右:野田哲也くDiary:Nov16th102)木版・シルクスクリーン

お問合せ:潟Mャラリーゴトウ
〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-5 銀座中央通りビル7階
TEL : 03-6410-8881
FAX : 03-6410-8882
http://www.gallery-goto.com
ggoto@juno.ocn.ne.jp

TOPへ